TR-909といえば、ハウス、テクノ等、ダンス系の定番ドラムマシン。
”ドン・ドン・ドン・ドン” と重低音を響かせる4つ打ちキック・・・
”ツッチー・ツッチー・ツッチー・ツッチー” というお馴染みのハイハット・・・
もはや、音楽に詳しいか否かを抜きにして、その音色を「 ”聴いたことがない” と言う人はいない!」と言っても過言ではないだろう。
まあ、最近はどの様なリズムマシンにも、そうした ”909を模した音” が必ずと言って良いほどプリセットされている。
だもんだから、本物のTR-909を所有しているにも関わらず、EQなり”なんなり?”を弄って、敢えて ”なんちゃって909”風な音を作ったりなんかしてるんだから、まったくおかしな話だ(笑)
かつて、ポップスの仕事が主だった時は、まず最初にクリック代りの”909の4つ打ち”を”打ち込む”という作業から始めたものだ。で、そこにSP-1200のキックで付点系リズムを重ねるというのが当時の私の ”定番の手法” だった。
今回は、909の音色を変えてダブルで使用している。一つはアタックが速くて比較的高音。で、もう一方はリリースタイムの長い低音といった感じの音色。
まあ、EQだとかエフェクターなんかも使用しているが、これがなかなか良い感じ。
「蕎麦汁に山椒ラー油を入れてみたら最高に美味しかった!」「そうそう、山芋擦ったのを一緒に入れると・・・」みたいなお話。
要するに、日々の制作とは ”生活の知恵” 的蓄積であると・・・ちょっと角度を変えて眺めてみると、そうした生活を営んでいる人間にとっては “創る=生活” ということでもある。
執筆・撮影:関口純
(c)Rrose Sélavy