その時には分からなくても、今になって分かるという事がある。
例えば、十代の時に作曲の師匠に言われた事とか・・・
まあ、そういうのは自分の”技術的な進歩”だったり”大人になった”なんて事を意味していたりもするのだが、自分を取り巻く”環境”にもそういったことが言えるのではないかと思うのだ。
当時は、「なんか生ぬるいなあ・・・」などと思っていた雰囲気が、実は”居心地の良さ”に繋がっていたり・・・
その時には気付かないものなのですよ、これが。
20数年前、某プロダクション新人開発部での出来事。「あの人といると安心するので、あの人に見てもらいたい」と当時17歳の女子高生に指名され、歌の個人レッスンを担当させられた?ことがある。しかも見た目の可愛い子。
今から思えば、一見 ”なんとも羨ましい話”だが、当時の私的には「まいったなあ」といった感じ。と言うのも、話してみたところは普通の明るい子だったんだけど、どうやら”引きこもり”らしく、学校にもほとんど行っていない状態とのこと。20代の私的にはちょっとプレッシャーだった訳です。ご両親と”レッスン見学”に来た時のことを覚えているんだけど、その時のご両親の心配そうな様子(藁をも掴む様な感じ)は今でも鮮明に思い出されるほど。
まあ、そんなこんなで”歌の個人レッスン”の方は暫く続けたのだが、しばらく経って「もうそろそろ、皆んなの中に入って演技レッスンにも参加した方が良いよ!」とアドバイスし、とりあえず1度みんなの中に入ったものの・・・その後、来なくなってしまった。
なんか悪いことした様な・・・良かれと思ってなんだけど・・・私の責任ではないけど、何故だか”罪悪感”が。
あの子、あの後、どうなったのかなあ・・・よく考えたら、もう40歳過ぎてるんじゃないかなあ。
幸せに”良いお母さん”にでもなっていてくれると嬉しいんだけど・・・
この文章、読んでくれてるなんてことは ”まさかっ?!” ないよなあ・・・そもそも、”あの時のお兄さん”が”私”とすら知る術がないだろう(笑)
まあ、このテの”罪悪感”を2度と持たないで済む様にと思ってそうなったのか否かは自分でもよく分からないが、その後、2度と「あの人といると安心するので・・・」なんてことを言われることは無くなったという(笑)
そして時は過ぎ去り・・・
この10年、些かピリピリしていた様なところがあったかも知れない。
ある種の”理想を追い求めていた故”とも言えるが、そこで学んだのは”自身の作品創り”と”教育(この場合は演劇教育)”は別々に考えた方が良いという点だ。
”自身の作品創り”に関しては、さらにこだわり抜いても良いぐらいだが、”演劇教育”に関しては、もう少し”緩やかな環境”を構築しても良いのかも知れない。
という訳で、少しは”人様に温かい気持ちになって頂ける人間”に近づくべく、日々、奮闘しておる次第で・・・などと書くとちょっと”嘘っぽい”と言うか、”嘘”になってしまいますが・・・
少なくとも、20年前の様な ”アットホームな雰囲気の演劇教育環境” を構築すべく只今、準備中!
”暴露”かどうかはさておき、20年前の芸能界のお話はまた別の機会に・・・
という訳で、特に“演劇”と“会社”という”二足のわらじ派”の方は要注目であります。
coming soon・・・
執筆・撮影:関口純
(c)Rrose Sélavy