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今回のお悩み
台本を読んでも台詞をどう言えばいいのかわかりません。
プロの役者さんは、どうやって「台詞をこう言おう」と決めているのですか?
台詞の言い方
プロの役者は台詞を言うために、声の大きさ、音の高低、テンポ、息の量などなどを調整する技術を身につけます。「こう言いたい!」という言い方をいつでも再現できるように普段から訓練しておくのです。
ですが、まずは「こう言いたい!」(もちろん、演出家からの「こう言って」と指示がある場合も含みます)という理想の言い方を見つけないといけませんよね。
そのためには、台本をしっかりと理解する必要があります。
誰に言う台詞?
例えば「大っ嫌い」と言う台詞があったとしましょう。この「大っ嫌い」をどう言うかは、どんなシーンで、誰に向かって言う台詞なのかによって言い方が変わってきます。
まずは誰に向かって言う台詞なのかを考えてみましょう。
例題
・本気で大っ嫌いなバイト先の店長に面と向かって言う「大っ嫌い」
・好きな人に意地悪されたときに言う「大っ嫌い」
全く同じ「大っ嫌い」という台詞でも、意味が変わってきませんか?
例えば、本気で大っ嫌いなバイト先の店長に面と向かって言う「大っ嫌い」はそのまま『大っ嫌い』という意味ですが、好きな人に意地悪されたときに言う「大っ嫌い」は、言葉とは反対に『大好き』と言う意味ですよね。
役者は台詞の言い方で、この「大っ嫌い」と言う言葉の裏側にある意味を伝えなければいません。
どう言うのが効果的?
では、本気で大っ嫌いなバイト先の店長に面と向かって言う「大っ嫌い」をもっと掘り下げて考えてみましょう。
ここで<本当に大っ嫌いだということを伝える>必要がある場合、どう言えばいいと思いますか?
とにかく大声で怒りを込めて「大っ嫌い!」と叫ぶのもひとつの正解ではありますが、それ以外にも、もっと怒りを伝える方法があるかもしれません。
例えば、もし店長に嫌なことを言われたシーンだったら、無表情でぽつりと「大っ嫌い」と呟く方が、大声でわめくよりもより強い<大っ嫌い>を表現できることもあります。
もちろん、演出家のプランや相手の演技、前後のシーンがどうなっているか、直前と直後の台詞やト書きはどうなっているか、演じる役はどんな性格か、相手役との関係性はどうか……などなど、色々な要素が絡み合った上で<どう言うのがベストか>は変わってきます。
どう表現すればより伝わる言い方になるか、台本をじっくり読みながら考えてみると楽しいですよ。
普段から研究してみよう
また、台詞の言い方を考えるために、普段から自分や友達、家族がどう話しているかを観察してみるのも大切です。
例えば、何かを言われて「うん」と返事をするとき。文字にするとたった二文字の「うん」でも、機嫌がいいとき、悪いとき、忙しいとき、嬉しいとき、悲しいとき、疑問が残るとき……気持ち次第で、無限のバリエーションが生まれますよね。
どんな気持ちのときに、どんな言い方になっているか、改めて考えてみると思わぬ発見があると思いますよ!
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監修:Rrose Sélavy
執筆:編集部
(c)Rrose Sélavy