こんな夢を見た。
中学時代の友人S君と居酒屋にいる私。
S君が「これ、頼んでみない?」と言うのでメニューに目をやると、なんと8.000円!
「え! 何これ?」と言うが早いか、何処かで見覚えのある男性が小さなタッパーに乗っかったお猪口2セットを運んで来るではないか。
どうやらこれが8.000円の正体らしい。
確かに"幻の日本酒"感の高い魅力的な香りがする。
ちなみにタッパーはお代わり分の由。
それにしてもこの量?
これに8.000円は出せない。
どうしたものかと固まっていると、その居酒屋の店主と思われる見覚えある顔の男性、そのお猪口に入った8.000円の日本酒を一気に呑み干してしまった。
要するに、私たちの8.000円を肩代わりしてくれたのだ。
そう、その居酒屋の店主と思しき男性こそ、最近話題の暴露系YouTuberの借金4.000万円を肩代わりした美容整形医師YouTuberA氏だったのだ。
ちなみに、どちらの方とも一切面識はない。
要するに、そんなニュースを見たりしたもんだから、私の夢の中にそうしたエピソードが反映されたものと思われる。
それにしても、8.000円の肩代わりをしてもらうとは・・・夢の中の話とはいえ、自分のスケールの小ささには全くもって呆れてしまう。
どうせなら8億円ぐらい肩代わりしてもらいたかったものだ。
どうせ夢なのだから・・・
で、ふと気づいたのだが、これって「ルーシー・フラワーズは風に乗り、まだ見ぬ世界の扉を開けた」の脚本みたいな話だなぁと。
どうやら私の頭の中では、日常の些細な出来事から政治、芸能ニュースに至るまで、あらゆる情報のカオスから"ウナギ犬"的新種を生み出すべく、様々な結合を試みている模様。
先の夢も、あのまま目覚めなければ、次は隣の席のプーチン大統領が「プルトニウム」という銘柄のウォッカを奢ってくれていたかもしれない。
まぁ実際、ルーシーの脚本は意図してその様な結合を様々な形で繰り返しているのだが。
それにしても、"夢"という無意識の世界でもそうした作業をしているとは・・・
いや待てよ、そもそも"夢"というものはそういったものか。そして、そういった一見、荒唐無稽な世界の網の目に本当の自分が潜んでいるとする向きすらある。
だとすれば、ルーシーの一見、荒唐無稽な世界に一定の真実を見ることも可能なのではないだろうか?
少なくとも、"作者=私にとっての真実"がそこにはある。
そして、私が考える演劇の定義の一つに"演劇とは嘘をもって真実を浮き彫りにする装置であり、芝居創りとはそうした諸々の試みである”というのがあるが、まさにそういった話なのである。
これを劇作と呼ばずして何と言う!?
執筆・撮影:関口純
(c)Rrose Sélavy