ものづくりの教科書 演劇小道具工房

【演劇小道具工房/第10回】プロのダンボール工作!立体的な鬼のお面の作り方 <前編>〜仮面はパーツと塗りが命〜

こんにちは、シンディこと大向しんじです。ここ『演劇小道具工房』ではお芝居で使える小道具のつくり方や、これまでに作ったアイテムたちなんかをご紹介します。

第10回のテーマは 「ダンボールで作る鬼のお面」。ほかのお面・仮面にもアレンジ可能なので、怪異やモンスター、顔を隠した怪人の役にはもちろん、節分やハロウィンにもぜひどうぞ!

鬼のお面を作ろう


鬼は外&福は内! この記事を書いている現在、節分を目前に押し寄せた寒波で寒さが極まっております。皆さん暖かくして過ごして下さいね。

ところで節分といえば皆さん鬼のお面を作った事はありますか? おそらく「子供の頃にはあるけれど、大人になってからは……」 という人がほとんどではないでしょうか。

けれど、大人になってからも鬼のお面を作る人間がいるのです。それがたとえ鬼の面でも怪人のマスクでも鉄仮面でも、作品に登場するなら作るのが使命……! そう、それが演劇小道具作家です!

仮面は小道具・衣装としてだけでなく、壁に設置して舞台装置の一部として演出に貢献することもあります。頻出こそしないものの、意外と重用するアイテムなんです。

それでいてデザインによって効果が変わったり、既製品はお値段もクオリティも幅が広かったり……なので「作る」という選択肢があるとないとでは大違いなのです。

おりしも節分を控えておりますし、この機会に童心に帰って鬼の面を作ってみようじゃありませんか! よろしければみなさんも作ってみてくださいね!

作ってみました

というわけで、作ってみました!

わー! 童心に帰りますね!

立体感のある頬骨開いた口の中などこだわってみました!

実はこの仮面……

材料はすべてダンボールなんです!

パーツ

基本となるのは以下の5つのパーツです。

・額(というかいわゆるTゾーン)
・頬
・鼻
・上唇
・顎

パーツが独立しているので、組み合わせる際に着ける人の顔に合わせてサイズや位置を調整できます。 ダンボール製なので試着して大きかった場合などにはその場でカットも簡単にできます。

あと僕は下のパーツも使用しましたが、この辺りはお好みで!

・眉
・ツノ
・歯
・眼球

ちなみに画像の型紙の工作用紙のマス目は1cmの方眼ですが、厳密にこの通りじゃなくてもOKです。つける人のお顔立ちに合わせましょう。

制作工程

個々のパーツを切り出して組み立てていきます。まずは額のパーツと頬のパーツを組み合わせます。

お次は鼻。

セリフのある役の場合はこの状態で、鼻下までの仮面にするのもアリだと思います。隙間があるとはいえ仮面越しだと声がこもって聞き取りにくくなるためです。

そうでない場合は続けて上唇を取り付け、最後に顎を取り付けます。

ちなみに顎を取り付ける位置で口の開き具合が変わります。口をもっと大きく開けた迫力のある顔にすることもできますよ! お好みの表情を見つけて下さいね!

組み立てが終わったら色を塗って完成です!

サブパーツは塗りのミスを防ぐため別々に着色して、乾いてから組み立てましょう。

今回はなるべく身近な塗料で仕上げたかったので、使ったのはダイソーのアクリル絵の具「赤」「黒」「茶」「黄」「白」の5色だけです。

立体感を意識してシャドウやハイライトを入れると一気にそれっぽくなります。不安な人は舞台メイクが得意な人に相談してみましょう。

ちなみに接着は全てガムテープです。使用に関しても耐久は十分、何よりお手軽でカンタンです。ガムテープとグルーガンはいつだって時間の無い小道具作家の強い味方です。綺麗に仕上げるなら、布貼り張り子も良いと思います。

後編に続く!

以上が基本の作り方なのですが、より効率よく・美しく仕上げるためには、ダンボールの特性を知り、それに沿って作ることが大切です。

後編では、ダンボールの扱い方について詳しく解説したいと思います。お面・仮面に限らず、ダンボール工作全般で役立つ知識なので、知っておいて損はありません。どうぞお楽しみに!

後編はこちら!

【演劇小道具工房/第11回】プロのダンボール工作!立体的な鬼のお面の作り方 <後編>〜段ボールの特性・構造を知ろう!〜

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執筆:大向しんじ
(c)Rrose Sélavy

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