こんにちは、シンディこと大向しんじです。ここ『演劇小道具工房』ではお芝居で使える小道具のつくり方や、これまでに作ったアイテムたちなんかをご紹介します。
第11回のテーマは 「ダンボールで作る鬼のお面」の後編として、素材としての段ボールの特性や、扱いやすくするためのポイントをご紹介します。
今回のようなお面・仮面以外にも、ダンボール工作をするとき全般に役立つ内容です! まだ前編をご覧になっていない方は、前編から続けてご覧ください。
前編を読む
【演劇小道具工房/第10回】プロのダンボール工作!立体的な鬼のお面の作り方 <前編>〜仮面はパーツと塗りが命〜
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ダンボール工作のコツ
ダンボールの特徴を知っておくと、ダンボールで小道具をつくる作業がグッと簡単になり、しかもキレイに仕上がります!
ダンボールの構造を意識しよう
ダンボールは2枚の紙の内側に波状の紙が挟み込まれた構造をしています。そのため加工時にはその波の方向を意識しましょう。具体的に言うと以下の2点です。
・波の向きに平行な方が折りやすく、垂直には折れにくいので、必要な加工や使用時にかかる力を意識しましょう。
・素材によっては波の凹凸が浮き出る場合があります。最終的な仕上がりを考えて目立ちにくい配置を工夫しましょう。(左右のパーツは対象になるように切り出すなど)
また表面に浮き出る凸凹をいっそデザインとして活かすのも一つの手だと思います。今回の鬼で言えば「眼球」「眉」「ツノ」のパーツは、波が浮き出てもそれが「筋」や「毛流れ」にも馴染むよう、わざと表面の凸凹が目立つダンボールを使用しました。
曲げる時のコツ
ダンボールの波を意識して切り出したとしても、曲げる方向が一方向ではない場合が多いです。また物によっては硬くて曲げにくかったり、もっと滑らかに曲げたい……! という場合もあります。
そんな時はダンボールの加工部分に圧を掛けて潰してしまいましょう! 硬めのダンボールでも折ったり曲げたりがしやすくなりますよ! なるべく広い面で圧をかけると表面が傷つかないので、耐久性を保ったまま柔らかくすることが出来ます。
より滑らかな曲面にしたい場合などは、霧吹きなどで軽く湿らせてから癖をつけて乾かすという方法があります。指の腹やボールなどの曲面を押し当てて、形の癖をつけてから乾かすとより滑らかな曲面に仕上げることができます。
濡れている状態は破れやすいので気を付けて作業しましょう。
上の画像では手ごろなサイズの球体が無かったので目の前にあったフィギュアを使っていますが、もうちょっと他に何かあっただろうと今少し後悔しています。
困った時に頼れるダンボール
当然ながら立体物を作る素材はダンボール以外にもたくさん選択肢があります。ダンボールは今回取り上げたように身近な工作道具のみで工作できるのでとにかく加工がしやすいです。
そして加工のしやすさもさることながら、ダンボールの1番の強みはその入手経路の豊富さにあります。
たとえば「今日の稽古で小道具が追加になったけど、本番までずっと稽古で材料買いに行く時間がない……」なんてことありませんか? そんな時にもダンボールならメンバーで家にある物を持ち寄れたり、運が良ければ最寄りで配布しているスーパーがあったり、集中稽古期間など時間が限られた中でも調達が比較的容易なんです。(もちろん、スーパーなどで工作用に段ボールを調達したい場合は、店員さんの許可を取ってからにしましょう。)
ダンボールの加工や扱いに慣れておくと、いざという時にとっても役に立ちますよ!
この記事をご覧になったのもきっかけですし、まずは童心に帰って節分にオリジナル鬼のお面を作ってみませんか?
寒波の最中ですが、顔がとても暖かいです……。
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執筆:大向しんじ
(c)Rrose Sélavy