こんにちは、シンディこと大向しんじです。ここ『演劇小道具工房』ではお芝居で使える小道具のつくり方や、これまでに作ったアイテムたちなんかをご紹介します。
第8回は配信公演ルーシー・フラワーズより 小道具紹介「鳥のフーちゃん」をお届けです。
アリスママのオシャレなペットの鳥 フーちゃん
今回はルーシーフェス配信公演「ルーシー・フラワーズは風に乗り、まだ見ぬ世界の扉を開けた 〜時代はもはや、医療崩壊ならぬ童話崩壊をも生み出すのだ!の巻〜」劇中より、僕が制作した小道具をご紹介します。
アリスママのペットのオシャレな鳥さん「フーちゃん」です! (劇中では名前を呼ばれないのですがフーちゃんというお名前です)
本編では見えないところもご紹介
フーちゃんはアリスママのお店の中に吊るされた鳥籠に入った状態で登場します。賑やかな背景に妙に馴染んでいますが、時々アリスママに触られてユラユラ揺れています。最初は背景の一部だと思っていた人もいるのではないでしょうか。
そんなフーちゃん、画面上だとこの距離でしか表示されません。せっかくなのでこちらではアップでご紹介しましょう。
賑やかな背景に馴染むだけあって、カラフルなフーちゃん。水色をベースにしつつも様々な色の羽根でその身を飾っています。やっぱりペットは飼い主に似るんでしょうか……?
ただでさえ画面越し、鳥籠の中、さらに背景合成もあるので、「鳥であることが見えやすいように」とできるだけ大きいサイズに作りました。だから鳥籠の実物を見るとちょっぴり窮屈そう。フーちゃんごめんね?
フェイクバードの制作工程
装飾などのために本物に似せて作られた鳥を「フェイクバード」と呼んだりします。インテリアショップなんかで見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。
フーちゃんもフェイクバードを参考に作られています。実在の鳥がモデルではないぶん、できるだけリアルに見えるように本物の羽根を使っています。
ちなみに素材の大部分は以前母親から貰った羽根ショール。端の方の羽根をむしって使いました。水色は布用の染料(ウールなど獣毛に対応した物)でつけました。おかあさんありがとう。
「なにゆえ母親が羽根ショールを持っているのか、そしてそれを息子にくれたのか」については謎ですが、まぁ家庭の数だけ「普通」があるものさ。
ベースの造形は紙ねんど。胸椎あたりに意外と厚みがあります。やっぱりペットは飼い主に似る……?
配色や翼のデザインを意識しながら羽根を接着していきます。目は一番最後に入れました。お顔周りの羽根を貼った後の方がきれいに仕上がるからです。でも目を入れると一気に「おお! 生物になった! 」って感じがするから不思議ですね。
そんなフーちゃんも登場するルーシー・フラワーズ
そんなフーちゃん、「本編ではどんな風に登場するの? 」「そもそもアリスママって誰? 」と気になった方はぜひ配信公演「ルーシー・フラワーズ」をご覧下さい!
フーちゃんやアリスママが登場するルーシー・フラワーズ新作本編が、2023年1月10日までの期間限定でご鑑賞いただけます。これからご覧になる方はぜひフーちゃんにも注目して見てみて下さいね! さらにこちらの期間中は「ルーシーフェス」として、特別生配信や過去作品の配信もございます。そのアーカイブも期間中いつでも何度でもご視聴いただけるチケットですので、ぜひ合わせてお楽しみください!
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ルーシー・フラワーズ以外の作品でも衣装や小道具の細部にフォーカスを合わせてみると作品の見方が広がりますので、ぜひ色々な視点から楽しんでみて下さいね。
今年も皆さん素敵な創作ライフを!
執筆:大向しんじ
(c)Rrose Sélavy