腕時計をしない生活になって早・・・一体、幾許の月日が経ったであろう?
携帯電話の登場が、私の”腕時計不携帯”に更なる拍車をかけたのは確かだが・・・
そう、腕時計・・・小学生の頃は”憧れ”として身に付けていた様に思う。そして中・高生、この頃が唯一、純粋なる”実用品”だった気がする。
それ以降は、もちろん”実用品”といった側面もあるにはあるのだが、それ以上に”お洒落”の要素が色濃くなっていった様に思われる。
祖母から入学祝いに買ってもらったグッチの腕時計は、今でも”真面目な場”に出る際には必ず着用する”愛用品”だが、機能としての”時計”というより”時計型のお守り”?みたいな感じだろうか。
そういえば、自分でもゴルチェの時計(日本生産もの)なんかよく買っていた様な・・・そう、メガネと時計はゴルチェだったなあ。
黒いジャケットもゴルチェ・・・楽劇座の衣装で赤羽みどりがよく着ていた大きめのジャケット、あれがそう。
スウォッチなんてのも流行り出して、遊びで2つぐらい購入した覚えがある。
ちなみに、さっき数えてみたら”現在所有しているものだけ”でも7本あった(笑)封すら開けていない頂き物まで合わせると、なんと9本!!
まあ、こうして改めて考えてみれば、色々と購入して来た訳だが、基本、あまり興味がない。
だから、いわゆる”高級品”レベルの腕時計は持っていないし、買おうと思ったことすらない。
それなりのビジネスマンなら、ロレックスの一つぐらい持っていることが”紳士の嗜み”だったりするのかも知れないが、こちとら音楽やら芝居なんぞにうつつを抜かしている”困ったちゃん”な訳だから、Prophrt-5こそ2台持っていたりするものの、ロレックスやらオメガなんてものは生憎持ち合わせちゃあいねえ。
ところがだ、最近の”災害に備えようブーム”なんかの影響もあってかどうかは知らないが「腕時計ぐらいは用意しておこうかしら?」などと思い立ち、真っ黒なシチズン・デジテンプなんぞを購入したりもしてみたのだが、思いのほか字が小さかったり・・・
それに、いつものヨウジヤマモトにはピッタリだが、災害時にそんな格好ばかりしている訳にもいかないだろうと・・・
で、行く着く先は、小学生の頃に買ってもらった ”憧れ”のデジタル腕時計・セイコーのALBA。しかも当時使っていたもの(笑)
嘘みたいな話だが、小学生の時に使っていた何十年も前の腕時計を再び使おうと。
小学生が買ってもらったもの故、間違いなく”安物”だと思われるが、そこがまた良いのだ。
ちなみに、当時は”デジタル”が新しかったのですよ。今の子にゃあ、分かるまい!
10年ぐらい前に電池交換してもらった時(結局使わなかったが)には動いたので、まだ大丈夫かと・・・
早速、Amazonで時計修理セットとボタン電池を購入・・・コロナ禍から学んだ知恵・・・出来ることは何でも自分でやりましょう。まあ、そういうこと!
こうしたメンテナンスも含めて楽しもうと・・・ついでにゴルチェやら何やら、他の時計の電池交換もしようかと。
こうした”遊び心”こそ、少しばかり”大人になった証”かと思う土曜日の午後。
執筆・撮影:関口純
(c)Rrose Sélavy