最近、思うこと・・・70年代の東京には空があったなあ。
そう、私がまだ子供だった頃・・・70年代後半ぐらいかしら?・・・今ほど高い建物はそれほど多くなく、それぞれの街ごとに古びた商店街がまだまだ健在でした。金物屋なんていうのも必ずありましたよね。おもちゃ屋さんの店先なんかにも、自分が生まれる前のおもちゃが平然とつる下げられて売られていたり。あれ、妙に魅力的だったんだよなあ。
今は何処の街もコピペされた様な光景。コンビニのネオンにノスタルジーが宿る余地はあるのだろうか?
70年代にもセブンイレブンはあったと記憶している(”社会の窓”を閉め忘れている同級生に向かって、セブンイレブンのCMコピー「開いててよかったね!」と声がけするのは子供たちの定番だった)が、まだ珍しかったし、もちろん24時間営業などではなく、字の如く朝7時から夜11時までの営業だったと思う。
でも、それぐらいがちょうど良いんでない?
最近、その頃のテレビドラマなんかを進んで観ているのだが、そこに映る街並みも良い感じだが、人間の描き方がまたとても良い。今だったらセクハラ、パワハラなどと苦情の電話が放送局に鳴り止まないところだろう。でも、そこで描かれている世界は何の違和感もなくちゃんと成立している。自分自身も「小学校の時の男女の会話はこんな感じだったよなあ」などと子供の頃を思いだす。言葉こそ悪いものの、その奥に優しさや愛情が表現されている日本語の奥行の様なものを感じる。
それに比べて現代は全く味気ない。人間の”出来損ないAI化”が着々と進んでいる様にすら感じられる。平等やら何やら口当たりの良いことを言いながら、悪徳はどんどん地下に潜って暗躍しているといったイメージだろうか。政治家がスピーチでとりあえず「国民の皆様のために」と言っておけばセーフみたいな。ああ、イヤダイヤダ。
石立鉄男のドラマなんて、今となってはある意味 ”理想郷” だよ。
この(写真のBlu-ray)『気まぐれ天使』は最近購入したもの。
とにかく第1話の印象が強烈だったんだよなあ。小学生の時に夕方の再放送かなんかで観たんだけど、樹木希林さんが演じたメチャクチャなお婆さんと石立鉄男さんの困り果てた様子。これが子供心に強烈な印象(“強烈に面白かった”の意)を残している。タイトルこそ忘れていたものの、「あのドラマ、なんていうドラマだったんだろう?」なんて度々思い返したりしていたのだ。改めて観進めていくと、他の回のエピソードもだんだん思い出してくる。そういうのってなんか嬉しいよね。
ロケ地も比較的ウチから近い場所なので、当時の空気感みたいなものも思い出される。
高田馬場ムトウの黄色い看板なんて堪らないねえ。比較的最近まで規模を縮小しながら営業されていたと思うけど、私の持っているCDの多くはこのムトウさんで購入したと言っても過言ではない。20代前半の3分の1はこのレコード店に居たんじゃないかしら?と思うぐらいよく利用させてもらったものです。
ところで、関係ないけど、酒井和歌子(『気まぐれ天使』にもヒロインで出演されている)さん好きなんですよ私、ハイ。
好きなタイプは若い頃(今でもお美しいが)の酒井和歌子さんと松原智恵子さん。まあ、世代としては親世代なんだけど・・・。
そういえば、このドラマって重直さんが助監督やってたんだ。監督としても1本撮ってるし。もしかして監督デビューかしら? 『熱中時代』の話はよく聞いていたけど・・・
佐藤重直さんは某プロダクションの仕事で知り合って、私が日本テレビ音楽で仕事してる時には、重直さんもちょうど日本テレビの「思いっきりテレビ」のディレクターをされてて、たまに日テレショップの上にあった喫茶店でお茶飲んだりしたっけ・・・日本テレビがまだ麹町にあった頃の話です。
確か私の両親の大学の先輩だった筈だから、現在はまあまあ結構なお歳だと思うけど、お元気にしていらっしゃるかしら?
そうそう、私の“佐藤監督の物真似“、あちらこちらで披露するたび結構受けたりなんかしてたもんだから、一時期、私の定番ネタ化しておりました。流石に、日本テレビの喫茶店でご本人から「やって見せてよ!」と言われた時には逃げ通しましたが(笑)
「人も作品も繋がっているんだなあ」などとしみじみ思うのであります。
執筆・撮影:関口純
(c)Rrose Sélavy