今宵の酒はデンマーク産まれのリキュールとジンときた。それも、そんじょそこらではなかなかお目にかかれないかなり高級なやつ。近所の大型スーパーでよく見かける類のそれでは無い。それもそのはず、1本5000円はくだらないという代物。さあ、買った買った!
などと寅さん風の口上で始まった今回の“おうち酒場化計画”であります。
「買った買った!」と言ってはみたものの、庶民のテーブルを賑やかす酒としてご紹介するにしては、やはりお高めな感は拭えない。
しかし今回、神の恵みか?悪魔の囁きか? なんと! この高級洋酒がオフィスに届いたのだ! そりゃ当然、呑みますわな? 酒バカとしては(笑)
酒バカも満足のリキュール
で、とりあえず一口。 先ずは「ELLENOR/エレノア」の炭酸割り。
美味い!!! これは美味い!!!
「ちょっと反応早すぎない?」という声が聞こえてきそうですが、ホントにこんな感じ。
正直、リキュールとは今まであまり縁がなかった。
というか・・・あれは確か20歳ごろ(酒飲み初心者だった頃)、友人から「呑まない?」などと誘いなんぞあり、良くも悪くもそうした大人の階段が輝いて見えしまったもんだから、早速、友人指定の東長崎の焼き鳥屋へ。まあ、無難に寂れた焼き鳥屋デビューを飾り、その足で友人が住むabout200坪はありそうな江古田の豪邸へ。「さあ、これで飲みなおそう!」と友人が階下から手にしてきたのが洋風な甘い酒。「へえ、こんな酒があるんだ」などと思いつつ友人と呑み交わす。そして、お天道様が顔を出したころ、徒歩にて帰宅。まあ、これぞ青春の光景ですなあ。と、そこまでは良かったのだが、後日、聞いたところによると、あのお酒、お菓子作り用のリキュールだったらしく、酔っ払っていた友人が台所から母親のお菓子作り用リキュールを拝借してきて私に振る舞ったの由。まあ、何用だろうとお酒はお酒なのだが・・・なんとなく、あの日以来、リキュールと冠がついた途端、どうも“酒”とは認め辛い体質?になってしまったようだ。というか、理科室のアルコールをこっそり飲んで酒代わりにする漫画の1シーンのような光景が連想されてしまい、あまり自ら進んで呑もうという気にはならなくなってしまったのだ。
ところがこのエレノア、私にとっての新たな道を開いてくれたかもしれないと言っても過言では無い。ついつい手が出てあっという間に結構な量を消費してしまった。
個人的にはシンプルに炭酸割りがお気に入りだが、ジンジャーエールも悪く無い。ただ、エレノア自体の味を愉しみたいなら、やはりシンプルイズベストかなと。
せっかく高級リキュールを愉しむのだから、それそのものの味を愉しみたいと思ってしまうのがいわゆる庶民感覚というものではありやせんかい? まあ、これを貧乏くさいと思うか否か? まあ、それぞれの“やり方”でお楽しみください。
ちなみに、あまり酒には強く無い事務所の女性スタッフにも好評! 私の分がなくなる・・・なんて、みみっちい考えは心の中にしまっておくと致しましょう。
なになに・・・国際コンペティションでメダルを多数獲得の高品質なオーガニックリキュールですと! そりゃ、美味いはずだわ!! ←とつい納得してしまうのが我ながら日本人的。
まあ、そんなこんなで、ご贈答なんかにも良いと思います。
お洒落だし! 美味しいし! 凄そうだし!
個性豊かなジン
そしてジン! その名は「HERBIE GIN」。 それも、なんと3種!! しかも、そのうち1本が40度、2本が37度以上38度未満ときたもんだ!
これは侮るなかれ。言うまでもなく結構なアルコール度数です。
お味の方はと申しますと、
それではオレンジ印の「ハービージン オーガニック」、100%オーガニックのドライジンから。
先ずは目を閉じて、少量を口にお含みください。どうです? 森は見えましたか? 実は私、小さいけれども複雑な“秘密の花園”ならぬ“秘密の森”に辿り着きました。なんかちょっとヤバイ表現ではありますが、まさにそんな印象を持ちました。複雑に絡み合う香りが私を秘密の森に誘ったのでしょうか? それともオーガニックなるものが我がD N Aに語りかけ、都会のコンクリートジャングルから異世界での森林浴に誘ったのでしょうか? それとも単に私が疲れているだけなのでしょうか? 少なくとも私にとっては“秘密の森のジン”といった趣のお味です。ちなみに、2019ジンマスターゴールド、2020ノルディックスピリッツゴールドを受賞されているそうです。
そして、赤印の「ハービージン エクスポート」。
これは刺激的。林檎にカモミール、ブラックペッパーが織りなすハードな森林浴といった趣のお味。大自然の中で人生の厳しさを教えてくれます。2018年ジンマスターのスーパープレミアムジン部門最高賞マスターメダルを獲得したそうです。まあ、それがどれぐらい凄いもの(賞)なのかは知りませんが、山椒を食べるためにうなぎを食べるタイプの私としては、なんだかんだ3種の中で1番好みかもしれません。まあ、一度お試しあれ! なんせ40度ですから、ここはひとつ、ちびりちびりとやってくだせえ。
最後は、見た目からして異色、「ハービージン ピンクジン」。
これは、特に「そのままお召し上がりください」系のジンですね。とはいえ、カクテルなんかにも良さそうで、より厳密に言えば、「この味を活かして呑んでね」系のジンと言うべきかもしれません。ソフトでスイートな味わいとありましたが、確かにそんな印象です。とは言え、アルコール度数37度以上をソフトと表現すべきかどうかは意見の分かれるところでしょうが(笑)
ジンマスター・フレーバージン部門2018・2019シルバー、2019IWSCブロンズメダルを獲得されているそうです。
色も可愛いので、プレゼントなんかにも良さそうですね。ただ相手を選びますが・・・なんせ37度以上のアルコール度数を誇りますからねえ。要は誰に送るか?が肝となります。あくまでも、喜んでくれそうな人に贈りましょう!
スコトランダー社
今回ご紹介したお酒は、すべてデンマークの「スコトランダー社」のお酒です。
「ELLENOR(エレノア)」(5489円)はスコトランダー社と世界有数のミクソロジー(カクテル)コンペティションである「ワールドクラスバーテンダーオブザイヤー」でデンマーク代表に選ばれたバーテンダー、ハッセ・ヨハンセン氏が共同開発したオーガニックリキュール。
甘いのにくどくなく、酒好きにも、普段はお酒を飲まない人にも大好評でした!
「ハービージン」(各税込5830円)はシーベリーやリンゴ、クランベリー等の北欧デンマークで収穫されたフレッシュなボタニカルをキーにしたクラフトジン。北欧の個性を見事に香りに映し出しているので、ジン好きはぜひ試してみて。
Makuakeストアなどで購入できます。
関口 純/音楽家&劇作・演出家
大衆社会という名の戦場で、その“住処”を鉄壁の要塞と化すことに情熱を注ぎ、かつ、“一人呑み”という名の作戦会議において“食”という名の世界地図を広げることを以ってして戦士の休息とする文士、またある時はミューズの女神に色目をつかいながらもバッカスの宮殿で音楽を奏でる宮廷楽士を下野して地上に舞い降りた吟遊詩人。
芸術を生業とする一家に生まれ、幼少よりピアノ、作曲、演出などを学ぶ。その後、日本テレビ音楽(株)顧問(サウンドプロデューサー&事業開発アドヴァイザー兼任)、楽劇座芸術監督、法政大学地域創造システム研究所特任研究員など。音楽から演劇、果ては研究活動に至るまで「止まれば死ぬ」を人生のコンセプトに“常に”吟遊詩人的人生の真っ最中。
※本文中の価格は希望小売価格・税込みです。
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異国情緒は時空を超えて 〜KALDI(カルディ)でワインを呑む〜【おうち酒場化(酒バカ)計画#6】
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参考リンク:makuake[エレノア][ハービージン]、Amazon
執筆・撮影:関口純
(c)Rrose Sélavy